2018/09/16

頭が鳥の巣みたいになってる男:働く


オーストラリアのシドニーに来て、1週間街の中を見て回った。

観光というより、何がどこにあって、どうゆう仕事なら就けそうか観察していた。

仕事は選ばなければたくさんありそうだったけど、ワーキングホリデービザで来ていたので、同じ雇い主の元で3ヶ月までしか就労できないのがネックだった。

仕事に慣れたと思ったら、すぐ別の仕事を探さなければならなかった。






最初に就いた職はユースホテルのハウスキーピング。

仕事はいつも2人組で行うんだけど、パートナーになる人は僕と同じようにワーキングホリデーで来ている人がほとんどだった。

イギリスから来ている人が多かった。

従業員用の休憩エリアで、仕事前にみんな(6~8人)で輪になって雑談するんだけど、僕はみんなの早口の英語があまり聞き取れなくて(ときにはまったく聞き取れなくて)、みんながいっせいに笑い声を上げても、僕一人だけはポカンとしていた。

なにを言っているのか分からないのに、愛想笑いみたいなことは僕にはできなかった。

「今なんで笑ったの?」と隣にいる人にこっそり聞く勇気もなかった。






2つ目に就いた職はすし屋の販売員。

韓国人が経営する韓国風すし屋だ。

すしというより、韓国のキンパというのり巻きそのもの。

焼きそばも販売していて、こちらも極太麺で韓国風だ。

でも店の看板にはちゃっかり「SUSHI」と書いてある。

なんといううさん臭さ。

でもその雰囲気が自分にとても合ってる気がした。






3つ目に就いた職はバーテンダー。

中国人が経営する、庶民的な小さなバーだ。

店に大型テレビが設置されていて、ドッグレースが放映されていた。

いちおう賭け場になっていて、totoの購入もできる。

ちょうどサッカーのワールドカップが開催中だったので、盛り上がってるみたいだったけど、客の大半は中国人で、何を言っているのかさっぱり分からなかった。

ちなみに仕事が休みの日に日本対オーストラリア戦をけっこう大きなスポーツバーで観戦していたんだけど、オーストラリアが試合終了間近に怒涛のゴールを決めまくって逆転し、シドニー中がぐらぐらと揺れた。

店内でも外でもオージーが暴れまくっていた。

中指を突き立てて突進してくるやつもいた。

食べかけのハンバーガーを投げつけてくるやつもいた。

こいつらみんな頭がおかしいんじゃないか?

いや、頭がおかしいのは僕のほうだ。

わざわざオーストラリアまで来て、少しもオーストラリアを満喫していない。

地味な仕事で小銭を稼ぐ日々。

みずから行動しなければなにも起こらないし、誰からも相手にされない。

そうと分かっているのに、動き出せない。

仕事はしているけど、中身はほとんど空っぽ。

僕の頭は相変わらず鳥の巣みたいなままだった。




【続きを読む】

『頭が鳥の巣みたいになってる男:日常』




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『頭が鳥の巣みたいになってる男:出発』





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