2018/05/01

バイトで「やっちまった!」 ~赤ワインどぼん事件~


連載中の『終わった恋の隠し場所』の第2話でも少し書きましたが、私は大学時代、200年後をイメージした内装のレストラン&バーで働いていました。

制服は銀色のテカテカした宇宙服。ノースリーブ、へそ出し、ショートパンツ。

黄・ピンク・オレンジいずれかの蛍光色の網タイツ着用。店内に仕掛けられたブラックライトで、脚が浮かび上がって見えるようになっていました。

その頃は「脚なんて見たけりゃ見りゃいいさ」という感覚。

ぶっとい脚を多くの方々にさらしてしまい、今では申し訳なく思っています。




こんなヘンな格好をしているのですが、接客は普通でした。

ただ照明が暗すぎて、提供する料理やお客さんの顔がはっきり見えない、というのが難点(ペンライトを持っていて、お会計など光が必要なときに適宜使っていました)。

でも暗いおかげで、接客時ニコニコする必要がなかったのはありがたかったです。疲れていたり機嫌が悪かったりすると、すぐに顔に出てしまうほうなので。


そのバイトは同年代が集結していて、またお客さんも若くてノリのいい人ばかりだったので、毎回出勤するのが楽しみでした。

朝まで働くとおいしいまかないがお腹いっぱい食べられるのも魅力で、私は金曜はとくに積極的に朝まで働くようにしていました。

大学の講義を受け、その後夕方5時に出勤し、朝5時まで働く。すごい体力。

今じゃ絶対こなせないシフトです。

しかも朝5時に仕事が終わってもすぐに帰らず、バイトの子たちと店でしゃべっていたり、24時間営業のファミレスに行って軽い朝食をとったり、オールナイトのヘンなテンションのままカラオケに行ったりすることもありました。

非常にエネルギッシュな生活を送っていました。



当時のことを振り返ると、楽しい思い出ばかりなのですが、そうじゃない思い出ももちろんあります。

「赤ワインどぼん事件」

そのレストラン&バーで「やっちまった!」というエピソード。

それは店内が暗いことに加え、店内の設計の複雑さがもたらしたものでもあります。

1階と2階の2フロアあり、店内に階段があって繋がっています。

その階段とは別に、店の中央にまるで浮かぶように、鳥かごの形をした席があり、そこへ繋がる2階からの階段がありました。

その階段がくせもので、料理やドリンクを提供しづらいので、普段ヒマなときはできるだけお客さんを鳥かごの席に入れないようにしていました。

しかし「やっちまった!」日は、お客さんが引っ切りなしに来るので、気づいたときには男2名女2名のグループが入っていました。

その席は飲み放題をやっていました。

4、50分経過した後、私はおかわりの赤ワインのデキャンタを提供するため、慎重に階段を降りていきました。

トレイに載せたデキャンタが揺れて倒れないように、手を添えていました。

足下がまったく見えない状態なので、感覚だけで階段を降りました。

足が片方鳥かごの席に着いて、「あ~ちゃんと降りられた、よかった」と思った次の瞬間、鳥かごの席の入り口に食べ終わったお皿がポンと1枚置かれていました。

え、なんで地面にお皿が!

そのお皿を、着地を目指していたもう片方の足で踏んでしまい、見事にバランスを崩しました。

前のめりになってお客さんのいるほうへ突進してしまい、提供するはずだった赤ワインのデキャンタをトレイごとひっくり返してしまいました。

ひっくり返ったデキャンタは手前に座っていた女性のカバンにIN!




慌ててデキャンタをカバンから引っこ抜き、カバンをちょいと持ち上げてみたら・・・。




男性のカバンならまだしも(男性の方すみません!)、よりによって女性のカバンにINしてしまうとは!

女性のカバンの中身というのは未知です。未知なる可能性、神秘的領域。

私自身、カバンの中に色々詰め込んでいます。

もし自分のカバンに赤ワインを注がれたら、唖然&愕然。

私は真っ先に弁償することを思いつきました。

被害女性に謝りながら、そのことを伝えました。

カバンだけでなく、ストッキングにも赤ワインが飛び散っていたので、一緒にトイレに行って拭きました。

けれど赤ワインはしっかり染みついていて、全然落ちません。

私はそのときあまりの申し訳なさに半泣き状態でしたが、そこからミラクルが起きました。

その被害女性は「やだ~」とか、「信じられな~い」などと最初は言っていたのに、超イケメンの店長(水嶋ヒロ似)が現れると態度を急変させ、「大丈夫です」と言い出しました。

誰がどう見ても大丈夫な状態じゃないのに!

店長がその鳥かごの席からもっと広くて安全な席に案内し、飲み放題を1時間延長するという対処をしただけで、その被害女性は「この店サイコ-!」なんて言い出しました。

苦情は完全に取り消された・・・。

すかさず店長が私に言ってきました「(被害女性は)いい感じに酔ってるみたいだから、このままいい感じに酔ったまま帰ってもらう作戦で」

その後、店長の作戦通りいきました。

私は何も咎められず、何も請求されず・・・。

ただその女性のカバンの中に、ひっくり返った赤ワインのデキャンタがどぼん!と入ってしまったときの感覚を、焦りを、絶望を、一生忘れることはないと思いました。

今でも飲み屋で「デキャンタ」という単語を聞くと、ギクッとなることがあります。




【恋愛ものも書いてます!】

『終わった恋の隠し場所 ~恋愛ではない何か~』





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