2018/04/13

上階に住んでいる女に水をぶっかけられたときの話


先日、新宿の大久保という町で、今よりやばい生活をしていたことを書きましたが、そのときあったおもしろエピソードを思い出しました。

住んでいたのは家賃5万5千円、風呂なしの2階建て木造アパートです。

新宿で5万5千円の物件というのは(JR大久保駅まで徒歩7分)、おそらく破格で、その値段だけでそのアパートがどれだけ古く、どれだけボロいかが想像できるんじゃないかと思います。

アパートは四戸あり、私(1階)以外は全員中国の方が住んでいました。




会ってもあいさつをしたりせず、都会の冷たい感じがしたのですが、なにしろボロいアパートだったので、誰かが咳をしただけで、建物中に音が響き、少し揺れるような感覚がありました。

そのため、なんというか、みんなで一緒に暮らしてる、という感じがあり、騒音といえば騒音なんだけど、それが人間のあたたかみのように私には感じられていました。

上階に住む人の足音も、当たり前のように響いてきて、「あ、いま台所のほうへ行ったな」とか、「あ、いまトイレにいるな」などということが分かってしまいました。

2、3日物音がしないと、「あれ?病気で寝込んでいるのかな」と心配になることもありました。





上階には私が住み始めた当初、カップルが住んでいましたが、男のほうが出て行ったみたいで、女の姿しか見かけなくなりました。

ケンカして別れたのだと思います。女がキィキィ言っているのが何度か聞こえてきたので。

あるいは、中国語という言語がただそのように聞こえるものなのかもしれません。

それはともかく、住人が減って、騒音も減り、なんだかちょっと寂しい気もしていたのですが、どうも一人残された上階の女が日に日に神経質になっていくようでした。

あるとき、私は英会話を上達させたくて、机の前の壁相手に英語で話しかけていました(英会話を習うお金がなくて、自力でスキルアップを目指していました)。

「おい壁、どうして黙ってるんだ。なんか言ったらどうだ。今日私は職場でこんなことがあって、あいつにああ言われて・・・」

壁に向かって愚痴を垂れていたら、だんだんエスカレートして、気づいたら大声を出していました。

たぶん20分くらいやっていたと思います。




うるさいのに耐えかねて、上階の女が下りてきて、ピンポンしてきました。

確か「何をしている?なぜうるさい?」みたいなことを言われました。

それ以来、英語で壁に話しかけるのはやめました。

しかし私にはもう一つヘンな習慣があり、その上階の女をイライラさせることになりました。

それはテレビに話しかけるというものです(一人暮らしあるあるですね)。

仕事のとき以外しゃべらない、仕事のときもほとんどしゃべらないという生活をしていたので、どうもしゃべり足りないな~、なにか発したいな~というとき、友人や家族に電話することがありましたが、毎日のことなので、相手も迷惑&電話代かかる、でテレビに話しかけることを思いつきました。

いや、思いつくというよりは、気づいたら話しかけるようになっていました。




ダウンタウンの番組をよく見ていましたが、「ウケる~」とか、「そんなわけないじゃん!」とか、松本さんのボケに反応しまくってました。そして大声で笑っていました。まるで友達が来て、酒盛りでもしているかのような騒がしさだったかもしれません。

上階の女が黙っているわけがありません。女は今回直接ピンポンしてくるという方法を変え、うちの玄関の前の壁に、張り紙をしてきました。

「今度うるさかったら警察を呼ぶ」という内容の張り紙でした。

警察か~、やべぇな、静かにしよう、と思い、反省しました。

でもよ、そっちだって家の中歩き回って、うるさくしてるんだぞ!バーカ、と反発したい気持ちもありました。

ようするにナメていました。

ひとまずテレビに話しかけるのはやめ、仕事から帰ってきたら、缶酎ハイ(ストロングゼロ)を飲んですぐに寝てしまうことにしました。

ただ休日、何の予定もなくて、一日中家にいることがあり、そういうときは音を立てないように極力気をつけていました。

でも、うっかりパスタをゆでているとき、けっこう大きめの声で歌を歌ってしまい、それが上階の女を刺激してしまいました。

ごみを捨てようと朝玄関を出たとき、上から水がザーッと降ってきました。




上階の女のしわざです。

頭からずぶ濡れになりました。でも濡れてもどうでもいいかっこうをしていたので、大丈夫といえば大丈夫でした。

夏だったので、ちょっと気持ちいいくらいでした。

その後、ゴミを捨て、すぐに家の中に引っ込んだのですが、しばらく時間を置いてからまた外に出ようとすると、上から洗面器が飛んできました。

洗面器は壁に向かって投げられただけで、私には当たりませんでした。たんなる威嚇のようでした。

私は外の安全な場所から上階の女の部屋を見上げ、「なんかやべぇ奴住んでるな」と思いました。

でもよくよく考えてみれば、上階の女のほうも「下にやべぇ奴住んでる」と思っていたかもしれませんね。

とにかく上階の女は彼氏さんと別れて、情緒不安定になっていたのでしょう。生活費を折半してたのなら、彼氏さんがいなくなったことで、家賃を払うのが大変になり、生活そのものがきつくなってしまったのでしょう。

帰国するか否かで追い詰められていたんだと思います。

私の笑い声や歌声が目障りだった・・・。

たぶんひと晩一緒に酒を酌み交わせば、解り合える関係になっていたにちがいありません。

貧乏、そして孤独、という点ではお互い似たもの同士だったわけですから。





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