2018/03/07

あ、この人もうすぐ結婚しちゃうな、という予感


以前勤めていた会社の先輩キリ子さんからLINEに「暖かくなってきたし、そろそろ会わない?」とメールが来ました。

昨年末に忘年会を二人でやって以来、キリ子さんには会っていませんでした。誘いの連絡は来たけど、「寒くて動けない」と返信したのを思い出しました。

キリ子さんはバリバリの営業マンで、一緒にいるとパワーを分けてもらえるんだけど、こっちの調子がいちじるしく悪いと、どういうわけか踏みにじられたような気分になることがあります。

でも今回は調子が悪いわけじゃない、むしろいいくらいだったので、「会いましょう」とメールを送ると、「今日はどう?」とすぐに返信がありました。

今日か・・・。ひとまず洗面所に行って、自分の姿を見ました。在宅ライターの仕事をしているので、人と接する機会がなく、とんでもない姿になっていました。

髪はボーボー(帽子をかぶればオーケー)、くちびるがかさかさ(家にあるクリームというクリームを塗りたくればたぶんオーケー)、花粉症で目の下が破壊されている(笑ってごまかせばオーケー)、着ていく服がない(笑ってごまかせばオーケー)

「それに人なんて自分が気にするほどよく見てないし!」と自分に言い聞かせ、キリ子さんに「い~ですよ~」と返信しました。





前回阿佐ヶ谷で待ち合わせたときは、キリ子さんは2時間半遅刻してきたので、ちょっと心配でした。打ち合わせに来る人が遅れたせいで、仕事が終わるのが遅れてしまったらしく、そのときキリ子さんは本当に申し訳なさそうにしていました。

私は普通の人と時間感覚がかなりずれているので、2時間半遅れても大丈夫だし、たぶん昼間なら6時間くらい待つことができます。ただ夜だったので、すごく眠くなってしまったのを思い出しました。

今回キリ子さんは時間通りに現れました。




キリ子さんといると、だいたいいつもキリ子さんが店を選んでくれます。お金があんまりないことをあらかじめ伝えておいたので、それじゃあ大衆居酒屋ってかんじの店にしようということになりました。

中野には居酒屋がひしめき合っていますが、キリ子さんは「赤ひょうたん」という店を選びました。




THE・居酒屋というかんじで、会社帰りのおやじさんたちがたかっていました。私はどちらかというとおやじさんたち側の人間。清潔な印象のキリ子さんだけ浮いてしまっていました。でもそういうのをまったく気にしないのがキリ子さんです。かっこいい。




ひとまずお互いの近況を知らせ合いました。私は作詞の仕事で、2枚目のCDがリリースされることを報告しました。「どんな曲?」と言われたので、へたくそながらキリ子さんの前で歌ってみせました。2曲あったのですが、キリ子さんが止めないので、2曲とも歌ってしまいました。

そしてキリ子さんの近況。部長に昇格したそうです。さすが。

そして新しい彼氏ができたそうです。




新しい彼氏の話を聞きたかったのですが、それよりも、今の彼氏に出会うまでにいかに自分が遠回りしたかをキリ子さんは延々と語っていました。それはすなわち今の彼氏がすごくいいということでもありますが、結婚に結びつく恋なのか、それはまだ分かりません。ただ会話の中で、何度も結婚という言葉が使われたので、きり子さんはかなり意識しているようでした。

キリ子さんが結婚しちゃったらどうなるんだろう・・・。ふと、さみしさのようなものを感じました。こんなひどい男がいた、あんなろくでなし見たこともない、と片っ端から男をこきおろすキリ子さんを見られなくなるのは惜しい気がしました。

キリ子さんと今の彼氏がうまくいってほしいという気持ちと、うまくいかないでほしいという気持ちが半々くらい。それに気づいたとき、私って邪悪、と思いました。

「キリ子さん結婚しちゃったらマジさみしいです。結婚しないでください」と帰り際に言ったら、「なんかそう言ってくれると、逆に落ち着くわ」とキリ子さんは照れているような、あるいは困っているような笑みを浮かべました。

その瞬間、「あ、この人もうすぐ結婚しちゃうな」と感じました。

帰り道、駅前の駐車場に咲いていた夜桜に気づいて、思わず足を止めました。もう春なんだな~という気持ちと、咲いてもいいけどまだ散らないで~という気持ち。だけど時は待ってくれない、流れ続ける。

夜桜を見上げていたその瞬間だけ、時が止まっているようで妙に心地よかったです。









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