2017/05/30

星野源『そして生活はつづく』のレビュー



 


 筆者のなにげない日常のことが過去の失敗談やトラウマ的エピソードを混じえながら綴られているのだが、この人にはちょっとしたミスを大事件に変えてしまう才能でもあるのだろうか?





 


 そんなバカな...ことが起こりまくる。


 本人の望んでいないところの、ひとつの災難ともいうべきバカなことが生じると、待ってましたとばかりまるでそれにピッタリ連動する次のバカなことが勃発し、それ以上ことが大きくなるのを防ぐためにいろいろ努力してみるのだが、結果はじめよりももっと大きな災難を巻き起こしてしまう。

 火災が起きたらあわてふためいて、「煙が!煙が!」と叫びながら目についた窓という窓を開け放っていくタイプ。

 タイトルの「つづく」はまさにそのことで、存在しつづけるかぎり、彼の負のスパイラルは規模を増していくように思われる。


 笑える。


 笑いの歯車がギシギシ、バッコンバッコン言いながら、突風とともに目の前を通り過ぎていくかんじ。


 ん?なんかすごいのが通ったけど、ありゃいったいなんだったんだ?


 ん?星野源?芸人?え?


 大変な努力家でもあり、繊細そうでもあるようなので、笑っていいのか微妙に分からない部分もある。


 が、「さぁもう笑って下さい、笑い飛ばして下さい」みたいに潔く誘ってくるところがこの人にはある。


 強烈な自虐愛、というのかな??


(仕事のことはひとまず置いといて)日常を送る中での不器用さのせいで人から不満を多く買ってるみたいだけれど、ただそれを読んでる身としてはなんか憎めない。


 というより、愛されるべきなのでは?


 応援したくなる。


 実際彼の周囲の人はどう思っているのだろう?


 テレビで見てる印象とはまるでちがって驚かされる。



 にしても、歌っている姿はなんとも軽やかである。


 悩みなんてないように見える。


 でも読了後、悩みしかないように見える。


 猛烈な共感を抱かずにはいられない。